台風でお天気が心配でしたが、ギリギリセーフ。
3年前と同様に南阿波サンラインモビレージさんにお世話になりました。
雨が強いときにはお勉強、雲の合間をぬってBBQや花火と晴耕雨読の2泊3日でした。
写真は、たまたま息抜きにウノしているときですが…
実習調査2016美馬市・つるぎ町②
美馬市・つるぎ町調査の2回目です。
今回はいつも(4WD)と違って2WDのハイエースを使用したのですが、、、集落で転回できない細い山道に迷い込んでしまいました。
普段使われておらず、竹の葉が積もっていてスタックすること数回、最後のくだりヘアピンカーブではなんと「バックできない」状態になり冷や汗をかきました。先週から、このあたりの交通が非常に脆いことがよくわかりました。空転するタイヤは煙をはき、つるつるになって危ないので、予定していたさらに奥地での聞き取り調査を諦めざるをえなかったのは残念です。
山の農家さんは、熱源ひとつとっても電気、プロパンにくわえて薪を使用しているところが多く、「孤立」には強いなと思いました。
実際、一週間弱停電し孤立した際には、薪で雪を溶かして生活用水にしていたとのことです。逆に、近年オール電化にしたお宅は、非常な困難に直面したとか。
実習2016予備調査
つるぎ町一宇・久藪地区で日帰り調査です。
今年度の実習テーマは、平成26年に徳島県西部を襲った雪害の被害状況を明らかにすることです。
久藪は、被害が多かった県西部に位置しています。街の中心部から離れた、いわゆる限界集落ですが、公式記録には被害の報告はありませんでした。被害こそありませんでしたが、県西部中山間地域の冬の暮らしについて理解するために、聞き取り調査をおこないました。
ちょうど、集落の有志がはじめて「あじさい祭り」前日で、祭りの準備を手伝いながら集落の方々のお話を聞きました。
この集落でも60cm以上の降雪があったり、2-3日の間孤立するのは珍しいことではありませんでした。にもかかわらず、H26年の大雪時には大きな被害はありませんでした。それは局地的な降雪パターンのせいか?それとも他の社会的な要因のせいか?それを見極めていこうと思います。
『社会的包摂/排除の人類学』がとりあげられました
以下の学術雑誌にて、とりあげていただきました。
ありがとうございました。
【資料紹介】
『アフリカレポート』53、2015
http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Periodicals/Africa/053.html
【研究動向】
「分野別研究動向(差別)」、『社会学評論』64(4)、2015
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsr/64/4/64_711/_pdf
【2013年度学会回顧と展望】
「貧困・公的扶助部門」、『社会福祉学』55(3)、2014
http://ci.nii.ac.jp/els/110009900527.pdf?id=ART0010431492&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1457319471&cp=
世界農業遺産シンポジウムを開催します
3月11日(金)に徳島大学にて世界農業遺産シンポジウム「世界農業遺産の思想と実践」を開催します。
世界農業遺産(GIAHS)とは、国連食糧農業機関(FAO)が世界的に重要な農業システムを認定する仕組みです。
にし阿波地域では、古くから斜度30度を越える急傾斜地において、風雨による土壌流亡を防ぎ、持続的な土地利用を可能にするためのユニークな農耕システムが営まれてきました。
徳島大学は平成26年度より、にし阿波(つるぎ町・三好市・美馬市・東みよし市)にみられる傾斜地農耕システムを世界農業遺産に登録するための支援をおこなってきました。今回のシンポジウムでは、世界農業遺産プログラムが開始された背景や趣旨および世界や日本での取り組み事例を検討しながら、にし阿波地域で培われてきた在来農業の特徴や可能性について考えます。
記
タイトル:「世界農業遺産の思想と実践」
日時:2016.3.11(金)13:00-16:10
場所:常三島けやきホール
講師:武本直子(FAO駐日連絡事務所)、イヴォーン・ユー(国連大学)、内藤直樹(徳島大学)
パネリスト:武本直子(FAO駐日連絡事務所)、イヴォーン・ユー(国連大学)、小泉靖雄(西渕農業加工研究会)、内藤直樹(徳島大学)
参加予約:要(入場無料)
詳細・プログラム:別添資料をご参照ください。
お問い合わせ:徳島剣山世界農業遺産推進協議会(つるぎ町役場商工観光課内)
TEL:0883-62-3111 FAX:0883-62-4944
syoukou@town.tokushima-tsurugi.lg.jp
拙編著『社会的包摂/排除の人類学』が朝日新聞読書欄で紹介されました
今回の記事では、日本に定住している難民の日常生活に焦点をあてた章について言及していただきました。
http://www.asahi.com/articles/DA3S12045853.html
シリア難民の流入でヨーロッパが大きく揺れ動いてることなどを受けて難民問題に注目が集まっています。UNHCRによれば、2014年末の時点で全世界で5,950万人が避難を余儀なくされています。このうちUNHCRの支援対象となっている難民は、過去20年間で最大の1,440万人となっています。「難民」として支援の対象となることは、こうした人びとの困難が終わることを必ずしも意味しません。むしろ彼らは、庇護国においてまた別の困難に立ち向かわざるを得ない状況にあります。
本書では、様々なタイプの「他者」が生かされる/生きるさまざまな場に焦点をあてています。具体的には難民キャンプ・先住民定住地・開発モデル地域・障害者福祉施設・児童福祉施設などの現場です。これらの現場は、これまで国家による公権力が貫徹した空間であると考えられてきましたが、新自由主義的な政策展開の中で国家の役割が民営化されたり、個人の「自己決定」が尊重されたりするなかで脱領域化するとともに、そのありかたを大きく変えつつあります。しかしながら、それらの空間において人びとが公権力や市場と切結びながらおこなっている、生きる場を創るための営みを比較検討してみると、それぞれの状況における困難は驚くほど似通っていました。開発・難民支援・福祉という、一見すると異なる領域のなかに、現代社会の中で困難を抱えた人間として生きていく/そうした人びととともに暮らすためにおこなわれている諸実践を検討し、その特性を見出そうとしています。